最近、驚かされたことの一つが、ロシアのウクライナ侵攻に対してプーチンを擁護する人々が、かなりの数いることです。テレビではあまり見かけませんが、インターネット上では「プーチン擁護派」の方が「優勢なのでは?」と思えるほどです。
なぜ、こんなことが起きているのでしょうか?
私は、「アメリカが諸悪の根源説」が「プーチン擁護派」になっていると見ています。
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なぜ「アメリカが諸悪の根源派」が多いのか?
まず最大の理由は、日本がアメリカの属国であることにあります。アメリカの属国であれば、日本にとって不利益なことがあれば「宗主国であるアメリカのせいだ!」となりやすいのです。
実際、東欧諸国のほとんどは強い反ロシア感情を持っていますが、それは冷戦時代に彼らがソ連(ロシアの前身)の属国だったからです。日本も同様に、アメリカの影響を強く受けているため、反発として「アメリカが諸悪の根源」と考える層が一定数いるのです。
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アメリカの過去の行為が影響している
もう一つの理由は、アメリカ自身が過去に様々な問題行動を起こしてきたことです。特にイラク戦争はその典型的な例です。
私は、「ウクライナ侵攻は国際法違反だ」と考えています。国際法的に合法とされる戦争は、①自衛戦争と、②国連安保理が承認した戦争の二つしかありません。ロシアのウクライナ侵攻はこれに該当しないため、国際法違反の戦争であり、「悪の戦争」と言えます。一方、ウクライナ側の抵抗は「自衛戦争」であり合法です。
これに対して、アメリカのイラク戦争もまた「国際法違反の戦争」です。イラクはアメリカに対して先制攻撃をしておらず、国連安保理でもフランス、ロシア、中国が反対していました。したがって、イラク戦争もまた「悪の戦争」と言えます。
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ダブルスタンダードを避ける
イラク戦争を批判しつつ、ウクライナ侵攻を擁護することはダブルスタンダードです。私は、イラク戦争もウクライナ侵攻も「国際法違反の戦争」だと思います。これらの戦争には共通点があります。それは、どちらも戦略的失敗であったことです。
アメリカはイラク戦争の5年後にその影響で没落し、アメリカ一極時代は終焉しました。同様に、ロシアも相応の代償を払うことになるでしょう。これは「悪いことをしたから」ではなく、プーチンが戦略的失敗を犯したからです。
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アメリカの「深い闇」とスノーデン、アサンジの影響
アメリカの闇を知るきっかけとなった事件も、プーチン擁護派の一部に影響を与えています。エドワード・スノーデンやジュリアン・アサンジが暴露したアメリカのスパイ活動や軍事行動の隠蔽に、多くの人々が衝撃を受け、「アメリカが諸悪の根源だ」と感じるようになったのです。
特にスノーデンがロシアに亡命したことから、プーチンが「勇敢な内部告発者を保護した英雄」と見られるようになった部分もあります。しかし、重要なのは、ロシアも同様に盗聴や言論弾圧を行っており、むしろアメリカ以上に酷い状況にあるということに注意が必要です。
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善悪の基準と戦略的視点
アメリカが悪だからといって、プーチンが自動的に善になるわけではありません。善悪を語る際にはダブルスタンダードを避け、一貫した基準で判断するべきです。
イラク戦争が国際法違反の「悪の戦争」だったように、ロシアのウクライナ侵攻もまた「悪の戦争」なのです。そして、戦略的に見ても、プーチンが勝利すれば、習近平が台湾侵攻に自信を持つことになり、世界の不安定化が進むでしょう。
したがって、プーチンを勝たせてはいけないのです。戦略的にも、善悪の基準からも。
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このように、プーチン擁護派の増加は「アメリカが諸悪の根源」の影響を強く受けていることが分かります。しかし、歴史や国際法、そして戦略的視点から見ても、一貫した基準で判断することが重要です。感情やイデオロギーに流されず、冷静に物事を見極める必要があるのではないでしょうか。