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国連安保理とロシア:冷戦時代の危機再来?

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国連安保理とロシア:冷戦時代の危機再来か?
2023年4月、国連安保理の議長国を務めたロシア。議長を務めたラブロフ外相は、4月24日に次のような警告を発しました。「世界は冷戦時代と同じか、それ以上に危険なラインにきている」と。彼の言葉は、冷戦を経験した世代にとって特に響くものがありますが、現代におけるこの危険な状況の主な要因は、まさにラブロフ外相自身が代表するロシア政府にあると言えます。

ロシアは2022年、隣国ウクライナに侵攻を開始し、国際社会を揺るがしました。この侵略行為に対して国際的な非難が集まる中、ロシアは安保理常任理事国として拒否権を保持し続けています。国連の中核的役割を果たす安保理が機能不全に陥っていると多くの国が感じているのは、このような背景があるからです。

さらに、ロシア政府は核兵器の使用をちらつかせることで、世界を恐怖に陥れています。4月25日には、ロシアのメドベージェフ前大統領がモスクワでの会議で「ロシアは最初に核兵器を使用する可能性がある」と発言し、「核戦争の予兆はますます大きくなっている」との警告を発しました。核兵器という究極の脅威を武器にしたこの発言は、世界中の安全保障の枠組みを揺さぶり、国際社会に緊張を走らせました。

そのような状況の中で、ラブロフ外相は驚くべき提案を行いました。「国連憲章を遵守しましょう!」と、国連安保理のメンバー国に呼びかけたのです。しかし、この発言は多くの国にとって皮肉にしか聞こえませんでした。米国のトーマスグリーンフィールド国連大使は、「偽善者のロシアは隣国ウクライナに侵攻し、国連憲章とわれわれが大事にしている価値を撃ち抜いたのだ」と、強く批判しました。まさに、ロシアが掲げる「国際法の尊重」という言葉は、侵略行為を行う国自身が唱えるには矛盾に満ちています。

さらに、グテーレス国連事務総長もラブロフ外相の隣に座りつつ、ロシアのウクライナ侵略を強く非難しました。「ロシアによる侵攻がウクライナに大規模な苦しみと荒廃をもたらしている」と、ロシアの行動が国連憲章国際法に反していることを明言したのです。

ロシアが「国際法を遵守しましょう!」と呼びかけることは、まるで泥棒が「法律を守れ!」と叫んでいるかのようです。言葉と行動の間にある矛盾は、国際社会の不信感を増大させるだけです。国連は本来、世界の平和と安全を守るための組織ですが、その中枢にある安保理常任理事国が自らの権力を乱用し、国際法を無視する姿勢を見せているのは、非常に危険な状態です。

今後、国際社会はロシアに対してどのような対応を取るべきか。まずは、国連の枠組みを改革し、常任理事国の拒否権に対する見直しが必要かもしれません。現在の国連安保理の仕組みでは、常任理事国国際法を犯しても、他の国々はその行動を止めることが難しいという現実が浮き彫りになっています。

ラブロフ外相が述べた「冷戦時代と同じか、より危険なライン」という言葉は、単なる警告ではなく、現実に起こっている事態を的確に表現しているのかもしれません。しかし、その危機を引き起こしているのがロシア自身であることを、世界は忘れてはならないのです。

 

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