シニア、世界情勢を考える。by tadashian

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ウクライナ軍の健闘と失敗について

こんにちは、そして、こんばんは、ただっしゃん(@tadashian1)です。 当ブログにお立ち寄り頂き、誠にありがとうございます。

 

ウクライナ軍の健闘と失敗について
ウクライナが大国ロシアに対し、驚異的な健闘を見せていることは広く知られています。戦争初期、ロシア軍が首都キーウを目指して進軍してきた際、ウクライナ軍はドローンやジャベリンなどの兵器を駆使し、見事に撃退しました。また、ウクライナ軍はドローンや水上ドローンを使用し、ロシア黒海艦隊をクリミアから撤退させることに成功しています。

ニューズウィーク』2023年4月15日付の記事によると、ウクライナ軍の攻撃により、ロシアの黒海艦隊はクリミア半島の主要な海軍基地を放棄せざるを得なかったと報じられています。ウクライナ軍のこれらの成功は、彼らの戦術的な優位性を示すものであり、プーチン政権に大きな打撃を与えました。

しかし、ウクライナ軍もいくつかの戦略的ミスを犯しています。

反転攻勢の失敗
一つ目の大きな失敗は、反転攻勢の開始時期を誤ったことです。アメリカは2023年4月に反転攻勢を始めるよう助言していましたが、ウクライナ軍は「欧米からの武器供給を待って、準備が整ってから」と判断し、6月に開始しました。その間にロシア軍は、防御を強化するための地雷原や塹壕を作り、戦車の進行を妨げる「ドラゴンの歯」などの防御策を施しました。この準備が結果的にウクライナ軍の進行を阻む要因となったのです。

分散された攻撃目標
もう一つの失敗は、攻勢のターゲットを分散しすぎたことです。アメリカは南部に戦力を集中させ、ザポリージャを経由してクリミアに向かうよう助言しましたが、ウクライナ軍は東、南東、南に兵力を分散してしまいました。その結果、どの方面でも決定的な勝利を収めることができなかったのです。

アメリカの支援停止とその影響
2023年秋には、アメリカ下院のトランプ派が台頭し、アメリカのウクライナへの支援が一時的に停止しました。この期間、ロシア軍は優位に立ち、CIAは「支援が再開されなければ、2024年末までにウクライナは敗北する」と予測しました。しかし、支援の再開により、ウクライナ軍は再び持ちこたえました。

2024年8月、ウクライナ軍はロシア領クルスク州への進軍を開始し、8月末までに100の町村を制圧しました。この動きにより、プーチン政権にさらなる屈辱を与えました。

ロシアへの深追いは危険
ウクライナ軍の越境攻撃について、日本では「ウクライナがロシアに侵略しているのでは?」という反応や、「ウクライナ軍の成功を称賛する」反応が見られます。しかし、冷静に考えると、ウクライナがロシア領内でさらに進軍することは難しいと予測されます。兵力の分散に加えて、兵站(後方支援)の問題が大きな課題として浮上するからです。

歴史的にも、フランスのナポレオンやドイツのヒトラーがロシアで失敗した背景には、広大なロシア領土と厳しい冬が大きな役割を果たしました。彼らは【兵站】の問題に直面し、大敗北を喫しました。ロシアでは、外国勢力が攻め込んでも「広大な国土と冬が守ってくれる」という認識が根強く、これはウクライナ軍にも当てはまるでしょう。

まとめ
ウクライナ軍は、これまで多くの戦術的成功を収め、ロシアに痛手を与えてきましたが、反転攻勢の時期と戦略においていくつかのミスも犯しています。さらに、兵站の問題が深刻化する可能性があり、ロシア領内へのさらなる進軍はリスクが高いでしょう。

歴史的な教訓を踏まえ、ウクライナ軍が冷静かつ戦略的に行動することが求められます。そして、私たちは、これまでの戦争の教訓を学び、同じ過ちを繰り返さないために【兵站】の重要性を理解する必要があります。

 

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