シニア、世界情勢を考える。by tadashian

健康のためノルディックウォーキング・トレッキングに励むシニア、如何にして就業寿命を伸ばすか考える日々そして世界情勢

地域格差の人類史(6)

こんにちは、そして、こんばんは、ただっしゃん(@tadashian1)です。 当ブログにお立ち寄り頂き、誠にありがとうございます。

 

人類は神話を通して発展したことをお話しました。

最初は神話の最たるもの、宗教についてです。

人類が小さな集落であった頃は、先祖の霊または森の精が私たちを守っている等、初期の宗教はアニミズムでした。アニミズムとは「すべてのものには霊が宿っている」という考え方です。だから、動物や植物も神の対象になりうるのです。神道にも八百万の神の考え方がありますね。

1万1500年前に農業革命がおこり、そして9千年前に家畜革命が起こった話をしました。家畜革命は動物と人間との関係を根本から変えました。家畜革命前は動物とヒトとは対等な関係でした。

でも家畜革命後、人間は牛・豚・ヤギ・ヒツジという動物を支配することになります。これによって人間は動物より上の存在なのだと想うようになります。

旧約聖書、創世記には以下のようにあります。

9:1 神はノアと彼の息子たちを祝福して言われた。「産めよ、増えよ、地に満ちよ。」

9:2 地のすべての獣と空のすべての鳥は、地を這うすべてのものと海のすべての魚と共に、あなたたちの前に恐れおののき、あなたたちの手にゆだねられる。

9:3 動いている命あるものは、すべてあなたたちの食糧とするがよい。わたしはこれらすべてのものを、青草と同じようにあなたたちに与える。

 

当初、王国の宗教は個人の願いに答える多神教でした。今年は豊作になりますようにと豊穣の神様に祈ります。今年は少雨なら雨の神様に、戦争が始まれば軍神に、容姿に自信がないならば美の神様に、もうすぐ試験が始まるようであれば学問の神様になどと多くの神に祈りを捧げます。

つまり多神教は個々のニーズに合わせて色々な神様が存在します。多神教は寛容なのです。だから、外国から神様が来ても、まあ一つくらいいいじゃん、となるわけです。

この日本がいい例です。八百万の神々がいて、そこに仏教が入って来ましたが、それほど問題なく、受け入れられてきました。

 

もう一方、一神教が登場します。宇宙を創造した唯一無二の絶対的存在な神です。

最初の一神教はエジプトのアテン信仰があります。紀元前1350年(今から3370年)ほど前にエジプトののファラオ、アメンホテプ4世は多くあった神々の中から、太陽神アテンを「至高の神的存在」と宣言して、他の神々の崇拝を禁止しました。この宗教革命は、アメンホテプ4世が死ぬと衰退してしまい、再びエジプトは多神教に戻りました。

 

現在、代表的は一神教といえば、ユダヤ教キリスト教イスラム教の3つが挙げられます。

ユダヤ教は紀元前1280年頃(今から3300年前)に成立した唯一神エホバを信仰しています。ユダヤ教の関心はユダヤ民族(選民思想)とイスラエルで、他の民族に布教する事はほとんどありませんでした。

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キリスト教は約2000年前に、当初「イエスは救世主である」と主張するユダヤ教の分派(異端)でした。イエスが十字架で処刑された後、弟子のパウロはイエスのことを世界中に広めるべきと考え布教の結果、キリスト教は380年、ローマ帝国の国教となったのです。今では世界に20億人以上がキリスト教徒と言われています。

イスラム教は7世紀に登場したムハンマドが開祖のアラーを唯一神として信仰されています。現在では19億人の信者がいます。

キリスト教徒は世俗化しています。片や、イスラム教は一夫多妻制で人口増に拍車がかかり、キリスト教徒の人数を抜くのは時間の問題と言われています。

 

一神教の最大の特徴は自分の信じる神が唯一絶対だということです。つまり、他の神を信じるヒトを許せないのです。その排他的なところがパワーであり、伝播力でもあったわけです。

 

次にその宗教の発展形としてイデオロギーが存在します。サピエンス全史の著者ユヴァル・ノア・ハラリ氏はこう述べています。自由主義共産主義国民主義・ナチズムも神話・宗教のたぐいである、と。

 

自由主義は17世紀イギリスのジョン・ロックが「いかなる人間も自らの意思と選択で生きることが認められていると主張しました。この権利は「自然権」として個々の人間に生まれた時から備わっているものであり、誰からも侵害される事はないとしています。以前はそのようか考えはありませんでした。彼は人間は誰もが個人の自由な意思の基づいて自らの判断で思想も宗教も生き方も生活のスタイルも自由に選ぶことが出来ると主張しました。

ジョン・ロックは1690年「統治二論」において「王権神授説」を否定して、「社会契約論」を主張しました。王が人民の自然権を侵害する場合は、それに対して「抵抗権」を行使できるとしました。主権者は王ではなく、人民にあると主張したのです(民主主義)。

このジョン・ロックの考えをベースの創られたのがアメリカ合衆国になるのです。

 

共産主義は19世紀ドイツのカール・マルクスによって始められました。「資本論」といういわば聖典があり、労働者階級の勝利で歴史は終わるという予言書が「共産党宣言」になります。

 

国民主義、別の言い方は民族主義ナショナリズムですね。極端な例ではナチズムが挙げられます。

ハラリ氏は述べます。サピエンス全史(下)37頁

ナチスの最大の野望は、人類を退化から守り、漸進的進化を促すことだった。だからこそ人類の最も進んだ形態であるアーリア人種は保護され育まれなくてなならず、ユダヤ人やロマ(ジプシー)、同性愛者、精神障害者のような退化したホモ・サピエンスは隔離され、さらには皆殺しにさえしなければならないとナチスは主張したのだ。

 

 人類は認知革命によっていろいろな神話を創りました。いろんな宗教もイデオロギーも作りました。

ある宗教・イデオロギーは自分たちが絶対正しいと主張し、他は全部間違いだと確信した時、非常にアグレッシブになります。

つまり他の宗教・イデオロギー信者を大量虐殺してもそれを良しとしてしまう・・・

事例をしてはスペイン人がインカ帝国を征服したときもインカの王に聖書を見せて、キリスト教を受け入れよ、と聖書も見せて迫りました。インカの王は聖書の字など全く分かりません。聖書を放り投げ捨てました。それをみた宣教師は激怒し、インカの王を幽閉し、インディアンを皆殺しにしてしまいます。

共産主義国ソ連・中国・北朝鮮カンボジアでは支配者(ブルジョアジー・資本家)を倒す名目で大量虐殺が善となったのです。

 

だらか、私たちはいつでも「狂信」や「排他的」「独善的」な神話が力を持ち過ぎないように、監視しなければならないと思うのです。

 

 ブログ読者の皆様が、健康でありますように!最後までお読みいただきありがとうございます。 ・・・心はいつもどまんなか。 by tadashian

 

 

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