シニア、世界情勢を考える。by tadashian

健康のためノルディックウォーキング・トレッキングに励むシニア、如何にして就業寿命を伸ばすか考える日々そして世界情勢

地域格差の人類史(8)

こんにちは、そして、こんばんは、ただっしゃん(@tadashian1)です。 当ブログにお立ち寄り頂き、誠にありがとうございます。

 

認知革命、農業・家畜革命、神話・宗教革命のお話をしました。

今回は科学革命についてです。

西暦1500年くらいまでは、ヨーロッパではキリスト教が絶対的な力を持っていました。神父さん曰く「私たちは全部知っています。すべての事柄は聖書に書かれています」と。当時、ヨーロッパの人々はあらゆる悩みや事象を神父さんに相談していました。神父さんの知らない事、聖書に載っていないことは重要なことではない、としていたのです。

サピエンス全史著者、ユヴァル・ノア・ハラリ氏はこのように述べています。

サピエンス全史(下)76頁

多くの信仰では、いつの日か救世主が現れて戦争や飢餓にすべて終止符を打ち、死さえなくすと信じられていた。だが、人類が新しい知識を発見したり新しい道具を発明したりしてそれを成し遂げるという考えは、滑稽というだけでは済まされず、不遜でさえあった。バベルの塔の話やイカロスの話、ゴーレムの話、その他の神話は、人間に限界を超えようとする試みは必ず失望と惨事につながることを人々に教えていた。

 神をのみ、ただ信じていなさい。考えることなど何もありません・・・という状況だったのです。

現代では、人のクローン製造は倫理的に禁止されています。では、倫理とはいったい何なのでしょうか。人間は神が創造されたものだから・・・という事ではないでしょうか。だから、現代でも私たちは宗教の影響を少なからず受けているような気がします。

 

1515年キリスト教は免罪符(カトリック教会が献金などを代償として信徒に与えた一時的罪に対する罰の免除証書のこと)を発行します。すると教会への反発が始まります。1517年ドイツのマルティン・ルターは免罪符に反対して「95か条の論題」を発表します。これが大拡散されたことによって、ルターは破門され、分派つまりプロテスタントが作られることになります。

これによって、カトリック教会の威信にキズが付いてしまいます。と同時に人々は以下のように考え始めます。

サピエンス全史(下)76頁

近代の文化は、まだ知られていない重要な事柄が多数あることを認め、そのような無知の自認が、科学の発展は新しい力を与えうるという考え方と結びついたとき、真の進歩は可能なのではないかと人々は想い始めた。

宗教に対する信念はさらに揺らいで行きます。

サピエンス全史(下)77頁

人類は新しい知識を獲得して応用することで、どんな問題もすべて克服できると、多くに人が確信を持ちだした。貧困や病気、飢餓、老齢、死そのものさえが、人類の避けようない運命ではなくなった。それらはみな無知の産物にすぎないのだった

科学って、大きなくくりでは、「自然科学」(物理学・化学・生物学など)、「人文科学」(心理学・考古学・言語学・教育学・歴史学民俗学・地理学など)、「社会科学」(政治学経営学・法学・経済学・統計学・情報学など)等があります。

 科学の発展は副作用があるにせよ。私たちに多大な恩恵を与えてくれました。特に医学の発展です。

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17世紀のイギリスでは、新生児1000人のうち、150人が最初に1年で亡くなりました。また、子供の3分の1が15歳になる前に死んでいたのです。現在のイギリスでは、新生児1000人のうち、最初の1年で亡くなるのは5人しかいません。医学の進歩で、1歳以下に子供の死亡率は30分の1にまで下がりました。15歳までに死亡する子供は、1000人中7人まで減ったのです。(日本も似たような数字ではないかと思います。)

サピエンス全史(下)84頁

真剣な学者のなかには、人間の一部が2050年までに「非死」(「不死」ではない。なぜなら、依然として事故で死に得るからだ。「非死」とは、致命的な外傷がない限り、無限に寿命を延ばせることを意味する)になるという人も少数ながらいる。

 

ユヴァル・ノア・ハラリ氏が言うには、科学革命を引き起こしたのは内面、心の変化「姿勢(心構え)」なのだと説きます。

  • 無知を認めるようになった
  • 観察と数字を重視する姿勢を持った
  • 新しいパワーの獲得を目指すようになった

 何かを「盲信」している間は、成長が止まって(思考停止)しまいます。

黒船を見た日本以外のアジア諸国は「こりゃかなわん、ムリ!」と精神的に屈服してしまいました。でも日本人は「どうすれば黒船を造れるのだろうか」と考え、数年後には自前の黒船を造ってしまったのです。

 

日本はバブル崩壊後色々な問題が内在していることを知っています。(経済の低迷・少子高齢化等)でも現状は問題解決の姿勢が見えない気がします。

今の日本はかつてのキリスト教絶対主義のような心理状態に見えます。明治維新の頃の日本人の「無知の認識」の意識を失っているのではないでしょうか。「日本式がベスト」だなんていう時代はすでに過ぎ去っているのでなないでしょうか。

国際的にみても日本の停滞の30年で一人あたりGDPが世界トップだったのが韓国に抜かれ26位にまで下がっています。この世界的な格差の現状を日本国民全員が問い直す時期に来ていると思います。

diamond.jp

この状況はとても、ヤバいと思います。

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