シニア、世界情勢を考える。by tadashian

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蔡英文総統の就任演説

こんにちは、そして、こんばんは、ただっしゃん(@tadashian1)です。

 

もう1か月前になりますが、台湾の蔡英文総統が先月5月20日に、中華民国第15代総統に就任して、演説を行いました。以下その概要と結論の英訳です。 

 

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蔡英文総統が20日中華民国第15代総統に就任して2期目をスタートさせた。台北賓館での就任演説では、向こう4年間で台湾を生まれ変わらせ、未来に向かわせると強調した。(総統府サイトより

蔡英文総統は国民に対し感謝の気持ちをもって、台湾の人々が再び託した責務を引き受る宣誓をしています。就任式典は感染症対策のため台北賓館の庭園において限られた人数の規模で開催されました。出席者はソーシャル・ディスタンスを保つ形の席について演説を聴いたのです。
国としての誉れ、生死を共にする共同体として、この記憶は我々一人ひとりの心に残ることと、団結とはこうした感覚なのだと述べています。

数多くの外国の使節代表が集まり、世界の多くの国がみな台湾に関心を寄せていることを述べています。蔡英文総統はこの機会に、世界が目にしているこの国には善良で強靭な人々が大勢いると伝えています。これらの人々はどれだけ困難な環境においても民主と団結、互いの責任感を頼りにそれら挑戦に打ち勝ち、難関を乗り越え、世界の中で揺らぐことのない台湾を実現していると述べているのです。

1月からこれまで台湾は2度、国際社会を驚かせました。最初は民主的な選挙の実施で、次に感染症対策の成果です。このところ感染症対策の成功により、「台湾」という文字が世界の主要各メディアに現れています。また、「台湾」の文字は海外に寄付する物資にも記されています。台湾人は世界で最も善良な人々であり、能力がある限り必ず国際社会に救いの手を差し伸べるとも言っています。

 

蔡英文総統は全ての国民がこの栄誉と喜びを分かち合うと同時に、「自助助人、自助人助」(自らの力を高めてこそ他人を助けることが出来る。自ら努力してこそ他人からの助けを受けられる)の精神を、身を以って感じてほしいと願っていると述べています。


変化は挑戦ですが、チャンスでもありますと。蔡英文総統は全ての国民がそれに向けてしっかり準備するようと求めています。なぜなら様々な試練と難関がこれからも我々を待ち受けているからとしています。向こう4年間、感染から抜け出せたもの、感染のもたらした変化に対して国の生存戦略を描き出せたもの、感染収束後、複雑さを増した国際情勢の中でチャンスをつかめたもの。そうした国が世界で頭角を現すことになると述べています。最後にまとめとして。

Conclusion

(結論)

 

My fellow citizens, over the past 70 years, the Republic of China (Taiwan) has grown more resilient and unified through countless challenges. We have resisted the pressure of aggression and annexation. We have made the transition from authoritarianism to democracy. Although we were once isolated in the world, we have always persisted in the values of democracy and freedom, no matter the challenges ahead of us. We will always remain committed to our common belief: Taiwan must help ourselves to help others, and when we help ourselves, others will help us.
国民の皆様。過去70年、中華民国台湾は度重なる挑戦に向き合いながら、より強靭な団結力を発揮してきました。我々は侵略と併呑の圧力に抗い、独裁体制の深い谷から抜け出し、世界から孤立した荒野を歩みました。しかしどんな挑戦に遭遇しようが我々は自由民主の価値をずっと堅持してきました。「自助助人、自助人助」という共同体意識は常に我々の信念なのです。

 

Many of the heroes in our fight against COVID-19 are here with us today, including members of our national face mask team, our Central Epidemic Command Center's public health team, and Premier Su Tseng-chang's (蘇貞昌) team.

今日、会場には「防疫英雄」(感染症対策に取り組んだ人々)が多く集まっています。マスクの「ナショナルチーム」である産業の川上、川中、川下のメンバーたち、中央感染症指揮センター(新型肺炎対策本部)の公衆衛生チーム、そして蘇貞昌行政院長(首相)率いる政府のチームの人たちです。

 

There are many more heroes from all walks of life not in attendance today: medical workers, postal workers, pharmacists, convenience store clerks, taxi drivers, and many more.

I may not be able to call out all of your names, but I want everyone to know that Taiwan has overcome countless challenges over the past 70 years, relying on not just one or two heroes, but thanks to countless heroes such as yourselves, working together to turn the wheels of history. You have helped make Taiwan a happy, safe, and prosperous place for generations to come.

そして会場には来ていないものの、このほかにも様々な業種でより多くの「防疫英雄」が存在します。医療人員、郵送に携わる人々、薬剤師、コンビニエンスストアの店員、そしてタクシーの運転手などなど。一人ひとりの名を挙げられないことをどうかお許し下さい。しかし私は皆様に告げたい。70年来、台湾が次から次へと訪れる挑戦を乗り越えられたのは1人や2人の英雄がいたからではありません。皆様と同じように、歴史の大きな車輪を一緒に動かしてきた無名の英雄たちがいたからです。皆様がいたからこそ、台湾は何世代にも及ぶ幸福、安定、繁栄を続けていけるのです。

 

I want to express my respect to all of you. Every single person in Taiwan is a hero. Vice President Lai and I are honored to take on the responsibility you have entrusted to us.

Taking on the responsibility of the President of the Republic of China in such difficult times brings me more pressure than joy. But I will not back down, because all of you are with me.

私は皆様すべてに敬意を表します。全ての台湾人が英雄なのです。蔡英文と頼清徳はここで皆様からの付託を受けることをとても光栄に思います。この厳しい時期に中華民国総統という重責、大任を任されることで私が感じるプレッシャーは喜びを上回ります。しかし私が怯むことはありません。皆様がいてくれるのですから。

 

The path forward will not be easy, and greater challenges await us. But we are a country that has persevered through even the greatest hardships. We, the 23 million people, have always been and will always be a community with a shared destiny.
これからの道は平坦ではなく、挑戦は増える一方です。しかし我々は激しい波風の中を歩んできた国です。我々2,300万人は生死を共にする共同体である。このことは過去、現在、そして未来のいずれにおいてもそうなのです。

 

I truly hope that all of my fellow citizens will remember how it felt to come together to overcome the challenges of the past few months. The Republic of China can be united. Taiwan can be safe. Being Taiwanese can be an honor that makes you hold your head high.
私は全ての国民が、過去数カ月間みな心を一つにし、互いに寄り添って難関を克服してきた感動を覚えていてほしいと願っています。中華民国は団結することが出来る。台湾は安全でいられる。台湾人であることで栄誉を感じられる。頭を上げて胸を張り、上を向いて堂々と歩くことが出来るのです。

 

My dear citizens, the path ahead of us is long, and we are about to begin a new chapter in Taiwan's story. Taiwan's story belongs to each and every one of us, and it needs each and every one of us.
親愛なる国民の皆様。これからの道のりはまだ長く、台湾の物語は新たな1ページを開いたところです。台湾の物語は全ての人々のものであり、それはまた全ての人々を必要としています。

 

I ask that the 23 million people of Taiwan act as our guides and partners. Let us pool our wisdom and courage and make this country a better place together. Thank you.
2,300万人の台湾の皆様。我々の道案内を務めて下さい。我々の仲間になって下さい。そして知恵と勇気を結集し、共により良い国を築いていきましょう。ありがとうございました。

 

 

私はこの演説を読んで、「自助助人、自助人助」精神、大事だと思いました。台湾を見習わなければならいですね。機会があれば、台湾に行きたいです。

 

ブログ読者の皆様が、健康でありますように! ・・・心はいつもどまんなか。 by tadashian