地域格差の人類史(1)
こんにちは、そして、こんばんは、ただっしゃん(@tadashian1)です。 当ブログにお立ち寄り頂き、誠にありがとうございます。
***台風の強風で寝付けなかったけど、停電もなく被害もあまり大きくなかったのですこしほっとしている今日この頃です***
ユヴァル・ノア・ハラリ氏の著書「サピエンス全史」等を参考に人類史と、今に至る格差等の問題について考えてみたいと思います。シリーズ化して、続けることができれば、と思っています。
地球誕生からです。
- 45億年前に地球が形成されました。
- 38億年前に生物が誕生しました。
- 600万年前にヒトとチンパンジーの共通祖先が現れました。(猿人、アウストラロピテクスがその代表です)
- 250万年前にアフリカでヒト(ホモ)族が進化して、石器を使うようになりました。(原人の登場です)
- 200万年前に人類がアフリカ大陸からユーラシア大陸に移動を始めました。
つまり単純に時系列で考えると、アフリカがヒト族発祥の地としての先進地域で他の地域を征服して行ったと考えてもおかしくはありません。でも、そうはなりませんでした。人類種の進化の歴史を考えてみたいと思います。
当時、存在したヒト(ホモ属)は、ホモ・サピエンスだけではありませんでした。
原人としては
ホモ・アンテセッサー
ホモ・エレクトゥス - ジャワ原人、北京原人を含む。
ホモ・エルガスター
ホモ・ハビリス - ハビリス原人。
ホモ・フローレシエンシス - フロレス原人。
旧人としては
ハイデルベルク人・ローデシエンシス人・ネアンデルタール人等他にも、現在分かっているだけでも、20種以上の現生人類がいたと考えられています。
30万年前には人類は火を使う事ができるようになっていました。同じように他のヒト族の中にも火や道具を使って調理することができたそうなのです。
20万年前に私たちの祖先である、ホモ・サピエンスが登場しています。15万年前には東アフリカに住み、7万年前にはユーラシア大陸全体に広まったと言われています。
しかし、ホモサピエンスがユーラシア大陸に広がりを見せた時、すでに先住のヒト族がいました。例えばネアンデルタール人と接触していた可能性があるわけです。交代説と交雑説があります。中東、ヨーロッパ人特有のDNAの1%から4%はネアンデルタール人と重なっているとの研究結果が出ています。最新の交雑説は完全に否定されてはいませんし、勢いを増しているるようです。が、現時点での定説では、他のヒト族を駆逐していった交代説が有力なようです。
具体的には5万年前にホモ・デニソア人(ロシア・アルタイ地方)が、3万年前にネアンデルタール人(ヨーロッパ・中東)が、1万3000年前に小人のフローレス人(インドネシア)がそれぞれ絶滅しています。つまりこの時点で、他のヒト族はいなくなり、ホモサピエンスだけが唯一の人類になったそうなのです。
では、なぜ、ホモ・サピエンスだけが生き残ったのでしょうか。
サピエンス全史の著者ユヴァル・ノア・ハラリ氏は7万年前に「認知革命」が起こったとしています。「認知革命」って一体なんなのでしょう。
言葉を使うようになった事と関係ありそうですね。でも、動物も鳴き声ですが、「サル語」「イルカ語」「ゾウ語」等を操ってコミュニケーションを図ります。
ただ、それは抽象度が低いものになります。「あそこに美味しいものあるよ」「ライオンやワシやサメが来るよ」とか・・・事象が具体的なものです。
ハラリ氏は言います。サピエンス全史(上)39頁
私たちがもつ比類なき特徴は、人間やライオンについての情報を伝達する能力ではない。むしろそれはまったく存在しないものについての情報を伝達する能力だ。
つまり、ホモサピエンスはや精霊や妖精等見た事がない(見た事がある人いるかも)物を語ることが出来るようになったからなのです。
サピエンス全史(上)39頁
それまでは「ライオンだ。気をつけろ」と言える動物や人類種は多くいた。だが、ホモサピエンスは認知革命のお陰で「ライオンはわが部族の守護霊だ」という能力を獲得した。
虚構、すなわち架空のもの事について語るこの能力こそ、サピエンスの言語として異彩を放っている。
でも、虚構を話すことになんの意味があるのでしょうか。
伝説や神話、神々、宗教は認知革命に伴って初めて現れた。
認知革命で一体なにが変わるのでしょうか。
認知革命の前は顔を知っている人の間では協力できました。サルも同様で顔が識別できる範囲では協力できると言います。そうなるとMAX150人・頭となるのでしょうか。つまり集団として行動できる数が150人くらいまでとなります。
会社員の場合社員の顔が分かる限界も150人くらいではないでしょうか。私も定年まで会社いましたけど、名前を知ってても顔が分からない人、いっぱいいましたね。
神話(ビジョン)が語れる事によって大きな集団を動かす事ができることになります。
サピエンス全史(上)50頁
言葉を使って想像上の現実を生み出す能力におかげで、大勢の見知らぬ人同士が効果的に協力できるようになった。
このことがホモサピエンスがネアンデルタール人を打ち負かしたことになります。
サピエンス全史(上)54~55頁
彼らはライオンの居場所についての情報は共有できたが、部族の精霊についての物語と語ったり、改訂することはおそらくできなかった。
彼らは虚構を創作する能力を持たなかったので、大人数で効果的に協力できず、急速に変化してゆく問題に社会的行動を適応させることも出来なかった。
ホモサピエンスと他の動物・人類種の大きな違いは「認知革命」(イメージする力)によって神話をつくり、すごい数の人々(大組織)が共有する力(同じ方向に向いて動くことができる力・ビジョン)を得たということなのです。
ここまでのまとめ
- かつて、ホモサピエンス以外にも多くの人類種がいた。
- 我々の先祖ホモサピエンスはおそらく、他の人類種を滅ぼした。
- ホモサピエンスが勝利できた理由は「認知革命」である。
- 「認知革命」とは虚構を語る事。
- 「虚構」=「神話」を創ることで、大集団(何十万人単位)を形成できるようになった。
ブログ読者の皆様が、健康でありますように!最後までお読みいただきありがとうございます。 ・・・心はいつもどまんなか。 by tadashian