シニア、世界情勢を考える。by tadashian

健康のためノルディックウォーキング・トレッキングに励むシニア、如何にして就業寿命を伸ばすか考える日々そして世界情勢

スペイン風邪について考えてみた

こんにちは、ただっしゃん(@tadashian1)です。

 

 今から約100年前、正確には1918年(大正7年)1月つまり第一次世界大戦中から1920年大正9年)12月の丸3年間続いたパンデミックのことをスペイン風邪といいます。

 これはインフルエンザによるもので、当時の人口の25%から30%の人が罹患したと言われています。推計で罹患者は累計5億人(当時の人口の約4分の1に相当)、死者数はこれも推計で1500万人から5000万人と言われています。死者数に関して何故こんなに幅があるかというと、前述したとおり第一次世界大戦中で参戦国は情報統制(士気の高揚のため)したため詳しいインフルエンザの死者数の文献・資料がないためとされています。(戦死などとごっちゃになったため)

 3年間も続いてしまって死者数が増えた原因の一つに流行の波があったそうです。第1波・第2波・第3波と、気を付けなければいけないのが第1波より第2波・第3波の方がよりウイルスが強毒化していたとの事なのです。

 今回のコロナウイルスはこのような強毒化の周波が来ないことを切に祈ります。

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<a href="https://www.photo-ac.com/profile/43626">acworks</a>さんによる<a href="https://www.photo-ac.com/">写真AC</a>からの写真

 発生地もどこか不明、第一次世界大戦の参戦国ではなかった中立国スペインでの情報で発症が明らかになりました。なので、スペイン風邪という事になったみたいですね。スペインからすると、こんな理由で命名されるなんて、いい迷惑ですよね。

 このスペイン風邪、正確にはH1N1型のA型インフルエンザと言われていますがこのウイルス自体は正確には現在、存在していませんでした。ただ10年くらい前に遺伝子配列が公表されて・・・たしか、北極圏で100年前のスペイン風邪で亡くなったであろう人の埋葬された遺体から(いわゆる自然の冷凍保存状態)組織を取り出して遺伝子配列を解明したと聞いています・・・東京大学医科学研究所が人工的に1918年に発生したインフルエンザウイルスを再生(リバースジェネティクス)させたそうです。

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スペイン風邪をサルで再現させて謎だったウイルスの病原性を解析

www.ims.u-tokyo.ac.jp › imsut › research › papers
スペイン風邪は、1918年(大正7年)から翌年にかけて世界的に流行したH1N1型のA型インフルエンザウイルス感染症です。20世紀に人類が経験した新型インフルエンザウイルスのうち、スペイン風邪では、最大の被害者数、つまり全世界で2000万~ ...

スペイン風邪は、1918年(大正7年)から翌年にかけて世界的に流行したH1N1型のA型インフルエンザウイルス感染症です。20世紀に人類が経験した新型インフルエンザウイルスのうち、スペイン風邪では、最大の被害者数、つまり全世界で2000万~4000万人の死者が出たといわれています。ところが、当時、インフルエンザウイルスを分離する技術は確立しておらず、流行当時のウイルスは現存していません。そのため、なぜその様な強い病原性があったのかは全く不明なままでした。

私たちは、1918年のスペイン風邪ウイルスの遺伝子を、公表された遺伝子配列から再構築し、リバースジェネティクス法により1918年のウイルスを人工合成しました。このスペイン風邪ウイルスはマカカ属のサルに強い致死性の肺炎を引き起こさせました。また、感染したサルは、ウイルスに対する自然免疫反応の調節に異常を起こしていることがわかりました。

インフルエンザウイルスが、感染した人や動物の免疫反応の調節に異常を起こす現象は、H5N1鳥インフルエンザウイルスの感染でも確認されています。 07011901.pngしたがって、この研究成果は、H5N1鳥インフルエンザウイルスを含む、強毒なインフルエンザウイルスの病原性を決定する、共通の特徴を捉えており、治療方法の確立や感染防御を考える上でも重要な発見です。

 

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 ちょっと、いや、かなり怖い話ですが、バイオテロ、おこる下地はすでにあるんですね。(もちろん、あっては困りますが・・・)

 なんと、この再生させたスペイン風邪インフルエンザを10匹の猿に感染させたところ(お猿さん、ごめんね)、10匹すべての猿が肺炎で死んだとの事でした。致死率100%・・・こわっ!

 ただ、今回の新型コロナウイルスは百年前のスペイン風邪インフルエンザよりは致死率は低いと聞きます。

 致死率が低いとは言え、もちろん、人命が最優先されるべきです、予防のためには感染者に近寄らない事が最大の防御になることは分かっています。でも、現代はネットの情報量と同じく、人間の交流量もかなり増えたのではないでしょうか。

 だから、私は今、人の移動の制限のために経済的にお金が回らなくなって、そのためにコロナウイルスによる感染死者数よりも自死してしまう人数の方が増えないか心配でなりません。

 日本は緊急事態宣言すると聞きます。リスク・マネジメント(リスクを管理していくこと)ではなく、リスク・アクセプタンス(リスクを受け入れること)と呼ばれる段階になったのではないでしょうか。
 私はまさに、リスク・アクセプタンスでこの感染症の問題を捉える時が来たと思います。

 ここで大切なのはパニックにならないことだと思います。それはもし仮に、私個人や家族が重症化し、死に至っても同じようにパニックになるべきではない考えています。

 と、偉そーなこと言ってますが、自分や身内にそのような事が起こって本当にパニックにならない自信があるかと問われれば・・・正直、あまりありません。

 ただ、そういう心構えは強く持ちたいと思います。