シニア、世界情勢を考える。by tadashian

健康のためノルディックウォーキング・トレッキングに励むシニア、如何にして就業寿命を伸ばすか考える日々そして世界情勢

金王朝の行く末は

こんにちは、そして、こんばんは、ただっしゃん(@tadashian1)です。

 

最近、北朝鮮がおかしな動きをしています。

同国は6月16日、開城(ケソン)の南北共同連絡事務所を爆破しました。

さらに、4つのアクションを起こすと警告しました、と記しました。

www.tadashian.com

 

なぜ、北朝鮮はこんなにもキレているのでしょうか?

韓国の「脱北者団体」が、反北朝鮮のビラを大量にバラまいたからだといわれています。短期的理由はそうかもしれません。長期的理由もあると思います。

その後、北朝鮮は24日、「軍事行動延期」を発表しました。

ロイター6月24日の記事です。 

jp.reuters.com

 北朝鮮金正恩朝鮮労働党委員長は、党の中央軍事委員会を主宰し、韓国に対する軍事行動計画の延期を決定した。

朝鮮中央通信社(KCNA)が24日伝えた。

一方、韓国の聯合ニュースは、北朝鮮軍が南北の軍事境界線付近に最近再設置した拡声器を撤去していると報じた。

「いやキレってないっスよ・・・」ってこと?「一体何・・・・・」

北朝鮮の動きがとても分かりにくいです。これはどういうこと何でしょうか。

北朝鮮金正恩の欲しいものは、・・・。

一つは、命つまり身の安全です。自分の命が大事ですもんね。命あっての物種、ですから。もう一つは、金=経済 です。言い換えれば「食」ですね。国民を食わすことができない指導者は、悲惨な運命をたどると思いますからね。

金正恩書記長の目標は、

1、自分と国民の命を守ること

2、金を稼ぐこと(経済を成長させること)

なので、北朝鮮のような貧乏国家が、自国の安全を確保する方法は、現状一つ「核兵器保有すること」しかありません。

金正恩書記長は、「イラクフセイン大統領は、核兵器がなかったから殺された」と考え、そして、「リビアカダフィ大佐は、核計画を放棄したから殺された」と考えていると思います。

この二人の独裁者の悲惨な末路に、故金正日書記長は、「必ず核兵器をゲットする」と決意させたのです。そして、北朝鮮は、核兵器保有国になったのです。

これで、アメリカも、北朝鮮を攻撃することが困難になってしまいました。もし北が韓国に核を使えば、「100万人は死ぬだろう」と予想されています。どんなアメリカ大統領でも、「100万人が死んだきっかけ」なんか作りたくありませんもの。

北朝鮮は、核兵器だけでなく、それを搭載するミサイルもゲットしてしまいました。金正恩総書記の、「命を守る」「安全を確保する」という目標は達成されたのです。

 

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でも、国連安保理で、厳しい経済制裁を科されてしまいました。2017年、北朝鮮があまりにもアグレッシブになったので、本来は味方の中国、ロシアも、制裁に賛成せざるを得ない状況になってしまいました。

金正恩書記長の次の一手は、「核兵器保有したままで、制裁解除・経済支援・体制保証を勝ち取ること」です。つまり、「命を守る手段は確保したから、次は金儲け!」ということですね。もちろん、交渉を開始するために、「完全非核化の準備がある」といいますよね。でも、「命を守る唯一の手段」を手放すはずがありません。

それで、金正恩書記長は、トランプ大統領との直接交渉に乗り出しました。

2018年6月シンガポール。2019年2月ベトナム。2019年6月板門店の計3回です。

1994年、北朝鮮核拡散防止条約(NPT)からの脱退を宣言しました。慌てたアメリカは、軽水炉と、毎年50万トンの食糧を提供することを約束しました。北は、もらうものだけもらって、しっかり核兵器開発をつづけていました。

2003年、北は、またもやNPT脱退を宣言しました。2005年2月、この時、核兵器保有を宣言しました、が・・・。同年9月、北は、「すべての核兵器を廃棄する!」と宣言しました。でも、これも全部ウソでしたね。

金正恩書記長は、「偉大な父」金正日氏を見習って、「アメリカをだませる」と思ったのでしょうね。すでに、アメリカも、過去の失敗から学んでいました。この時のトランプ大統領、しっかりしていました。結果、「非核化のフリをして、制裁解除を勝ち取り、経済支援も引き出す」という金正恩総書記の想定は外れてしまいました。

今、北朝鮮は、核兵器保有しています。そして制裁が継続中です。

headlines.yahoo.co.jp

中央日報6月25日に、興味深い記事が出ていました。北朝鮮経済が、ボロボロという内容の抜粋です。

北朝鮮の経済構造は毎年、無煙炭輸出10億~13億ドル、衣類委託加工輸出7億ドル、海外派遣労働者賃金3億ドル、水産物輸出1億5000万ドルなどで構成されている。こうして稼いだ外貨で生活必需品の輸入にともなう20~30億ドルの貿易赤字を埋め合わせてきた。だがこうした金脈が完全に干上がってしまった。

昨年12月には9万人の海外派遣労働者が送還された。北朝鮮は「研修」「留学」を名目にして再び中国やロシアなどに派遣したが、新型コロナウイルスはこうしたルートさえもふさいだ。

新型コロナにともなう国境閉鎖により中国人観光客の足が途絶えたのも致命打だった。

中国は120万人ほどの観光客を北朝鮮に送り、最大3億6000万ドルの収入を与えてくれた。

こうしたドル箱がすべて遮断され北朝鮮は禁断症状に苦しめられている。

「制裁効果=制裁の強度×時間」だ。国連安全保障理事会は2016年の4度目の核実験以降四重の制裁網を順に張っていった。

北朝鮮制裁もこの法則により時間が過ぎるほど北朝鮮の首を絞め上げている。すでに北朝鮮の輸出は壊滅的打撃を受けた。

これに対し輸入は生存のために小麦粉、砂糖、食用油などの生活必需品を買い入れ続けるほかない。

これにより対中貿易赤字は昨年23億7000万ドルに増え北朝鮮保有する外貨は枯渇している。

長期化する制裁で、北朝鮮経済はかなり厳しいみたいです。そこに「新型コロナ禍」が加わって、ダブルパンチです。

最近の北朝鮮の異常な行動は、やはり「韓国を脅迫して、お金を引き出しかった」のでしょうね。でも、今回は韓国が強気な態度だったみたいなので、脅しをやめてしまいました。

 

これからどうなるのか。私にはまったく予想がつきません。

クーデターが起こるか?金正恩氏の心が折れて、「完全非核化後の制裁解除」に同意するか?

やぶれかぶれで、暴走するのか?・・・これだけはやめてほしいですけど。しかし、金王朝の崩壊が迫っていることは、間違いないでしょうね。

 

結局、拉致被害者の方々が戻ってくるのは、「金正恩体制が崩壊した後」ということになるでしょうか・・・。すこしでも、一日でも早く帰ってきてほしいです。私の娘が拉致被害者だったら、たまりませんもの・・・

 

ブログ読者の皆様が、健康でありますように! ・・・心はいつもどまんなか。 by tadashian